デルメ食トレmagazine 第11弾(強豪校の身体づくり) 市原中央高等学校



自立心と食トレが導く
悲願の甲子園出場
「甲子園で1勝」という目標を掲げ、今夏2度目の夏4強入りを果たした市原中央高校。チーム強化の土台は「食トレ」と効率的な90分練習がある。文武両道を実践し、滝田優司監督の指導理念である「選手たちに考えさせる野球」で強豪校へと成長している。

滝田優司 (たきた ゆうじ)
1982年生まれ、千葉県出身。木更津中央高校(現・木更津総合高校)で2000年準優勝。国際武道大学から母校コーチを経て15年市原中央高校着任、18年から監督を務める。
オムレツ、みそ汁etc.
納豆レシピが増えた
市原中央が「食トレ」を本格的に導入したのは2020年のこと。滝田優司監督が選手の体力強化とパフォーマンス向上のために食事がいかに重要かを実感したことがきっかけだ。
「うちは進学校で、練習時間が90分と限られています。試合と練習の乖離をつくらないこと。全体練習で足りない部分は各自が自主的に考え補うことを大切にしています。毎日の食事もその一つです」。
市原中央は野球部寮がなく、食トレの成功には、家庭での食事が重要となる。担当のトレーナーから1週間の献立案が送られると、保護者たちがたんぱく質を中心とした栄養バランスのいい食事を家庭で実践した。調理法やアイデアに悩んだときはトレーナーに直接相談することができ、その都度、選手に合ったアドバスを受けられる。ある選手からは「納豆に飽きてきた」との悩みがあった。するとトレーナは「オムレツにしたり、細かく刻んでお味噌汁に入れてはどうですか?」、「納豆にオクラやキムチを入れてアレンジするのもいいですよ」と助言。朝ごはんの米の量を500~600gに設定し「朝ご飯をしっかり食べる」ことをチームで徹底。継続していくうち土橋怜於選手(3年)などが次々と体重増に成功した。
太りにくい体質を戦略的に改善
トレーナーの熱意ある助言
本気で勝利を目指す集団に
食トレは食生活そのものを見直すきっかけにもなった。夏の大会前はクエン酸、ブドウ糖、ビタミンB群、ミネラルを積極的にとり、熱中症対策へ万全の準備。その効果で夏は大きなトラブルを回避でき、キャリアハイの4強入りを果たした。一人ひとりがチームの勝利のために自己管理を徹底し、最大限に力を発揮する準備を各自が行っていた。「あと2勝」の壁は大きかったが、食トレがもたらした成果は大きい。
滝田監督は「やらされる食トレではなく、指導者・トレーナー・選手・保護者が目標に向かって交流し合う取り組みが結実したと思います。とにかくトレーナーの心あるサポートが良かった。マニュアル通りのサポートではなく、心に響く誠意ある指導で、選手、マネージャー、保護者が本気になり、自分たちの意志で勝利に向かう意欲が沸いたと思います」。
2019年以来の4強。滝田監督は敗戦後に前回と明らかに違う空気を感じたという。「選手たちのふるまいや、『悔しい』と言う言葉を聞いて目標だった『甲子園で1勝』を本気で目指していたことが伝わってきました。その姿を見た下級生は、次に繋げていかなければいけないと強く思ったはずです」。
新チームがスタートすると、2年生が「変わりたい」という思いを自ら行動で表すようになったという。滝田監督はこの変化を歓迎している。
「高校生は発展途上。強制的にやらせるのではなく、考えさせる時間が大事なんです」。
自立する心を成長させながら、3年生たちが果たせなかった悲願の甲子園を狙う。

●直近の戦績 24年選手権千葉大会ベスト4
不足に栄養を補うことで増量に成功

(2年・佐久間優剛のお母さん)
Q.初めて食トレの説明を受けた時の感想は?
A.今までの食事は栄養バランスが悪かったことに気づきました。特にビタミン類やマグネシウムが不足していることがわかりました。私はあまり料理が得意ではなかったのですが、さっそく次の日からバランスのとれた食事を心がけました。
Q.食トレを始めて、変わったことはありますか?
A.息子は太りにくい体質だったのですが、不足した栄養を意識するようにしたら、足がつりにくくなったり、悩んでいた体重増量にも少しづつ成果が出てきました。
文:樫本ゆき 写真:廣瀬久哉
掲載内容に関しては制作時の情報となります。